今、所属しているオーケストラで練習している曲は、「ブラームス の交響曲第一番」
名前の通り、ブラームス が最初に作った交響曲だ。(合計4曲作っている。)
この曲、ブラームス は20年以上も悩んで悩んで作り上げた、練り上げた曲。
なんでそんなに悩んだの?
というと。
ブラームス は早くからそれまでのスター作曲家だったベートーベンの後継者として注目されていて。自分でも自覚していたから、後継者としてちゃんとした曲を書かなくてはいけない!
と思って、悩んで20年以上かかったそうだ。
(多分本人に聞いた訳ではないだろうけど、これが定説になってる。)
だからか、色んなものが詰め込まれていて、かなり重い。
裏側にも色々仕掛けが入っていて。
まあ、しつこい。しつこい。
でも、何度聞いても良い曲だ。
4楽章の後半。ステキなフレーズが出てくるのだけど、これが始まると毎回涙が出てくる。
やっぱりすごいよなぁ。と思うのだけど。
でもやっぱり重い。
実は私は大学三年生の時にこの曲を弾いた。
大学三年生の時の曲というのは、執行学年の時の曲ということになり、後々まで、「あの学年の曲」と、いわれる。
とは言え、大学生で初めてチェロ を弾き始めて、三年生になると「トップ」という、チェロ パートを仕切る人になってオーケストラを引っ張る。
というのは、今思っても「よくもまあ。」
と褒めてやりたい自分と恥ずかしげもなくえらそーに行動していた自分を隠したくなるほど、とにかく、無茶苦茶な行動だった。
そこから40年たっての演奏。
40年なんて、本当に昔のことだから、どれだけ覚えているか?
と思ったものの。
弾いてみると結構覚えている。
もちろん全然弾けないところもあるけれど、これは昔も弾けなかったのか、忘れてるだけなのか?
まあ、多分昔も弾けなかったのだろうな。
でも曲の全体像はしっかり入っているから、
「初めて」この曲を弾く人たちに比べたら物凄く余裕がある。
いつもなら(大概弾いたことの無い曲ばかりなので)アタフタと練習に臨んでいる私が、こんなに楽しそうに弾いてるのは結構珍しい。
「弾いたことがある」曲のなかでもこの曲は、「特に練習した曲」だから、少し自信もある。
でも、思い出深すぎて、困ることも。
なんせこの曲に物凄く思い入れを持って練習したのだ。
笑うことも多かったけど喧嘩もよくやった。
今思えば、何をあんなに真剣にと思うのだけど、とにかく一生懸命だった。
ティンパニ、オーボエ、クラリネット、フルート、ファゴット、トランペット。
40年前はみな同級生がソロを吹いた。
もちろん、今のオーケストラでは違う人がソロを吹くのだけど、そのパッセージを聞くたびに、同級生のことを思います。
このまま窒息するんじゃないかという感じで真っ赤になりながら吹いてたっけ?
とか、ここんとこ あいついつもズレてたよなぁ。
とか、思い出しながら弾いているとかなりしんみりする。
とくに、2年前に病気で亡くなった同級生のソロの部分になると結構ぐっとくる。
でも、何故か私はその友人に心で話しかけてる。
「吹きたいでしょ。吹きにおいでよー。楽しいよー」
他人が聞いたらびっくりするような、イジワルなセリフかもしれないけど。
私なりの友情だ。
今年は3回忌にお墓参りに行く。
40年前に一緒に弾いたメンバーと。
多分、お墓の前で「ブラームス 1番」を呟くんしゃないかなと思う。